(社)日本ネットワーク インフォメーションセンター 接続承認について 1 接続承認とは JPドメイン名の登録後、インターネットに接続して実際にそのドメイン名を 使用するためには、いずれかのJPNIC会員インターネットサービスプロバイダ (以下JPNIC会員プロバイダ)から接続承認を受ける必要があります。 ----- ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/domain/gijutsu_saisoku.txt --- ドメイン名登録等に関する技術細則 4.ネームサーバ設定と接続承認 登録されたドメイン名を、当センターが管理するドメインネームサー バへ設定(ネームサーバ設定)する際には、当センターのいずれかの 会員によるそのドメイン名の接続承認が必要である。この条件を満た さなくなった場合、そのドメイン名のネームサーバ設定は解除される。 --------------------------------------------------------------- この文書では、この接続承認制度の概要と背景を説明します。 2 接続承認の概要 接続承認は概ね次のような仕組みになっています。 (1) まずJPドメイン名を登録した利用者がそのドメイン名を使用するため にJPNIC会員プロバイダに接続承認を依頼します。 (2) この依頼によりJPNIC会員プロバイダは、その利用者のドメイン名を自 社の接続ドメイン名リストに加え、そのリストをJPNICに登録します。 これが接続承認です。 (3) 登録者は、この接続ドメイン名リストに掲載されたドメイン名のドメイン 情報にネームサーバのホスト名を登録します。その後、JPNICはその 情報をもとにネームサーバを設定します。こうして、そのドメイン名を インターネットで利用することができるようになります。 3 接続承認制度の背景 日本におけるインターネットの基盤、特に、 JPネームサーバ維持管理費用、 プロバイダ間のバックボーン回線、海外との専用線料金にかかる費用などは、 これまで政府による補助金を主として受けることなく、民間のインターネット サービスプロバイダ(以下プロバイダ)の共同の費用負担と協力により維持さ れてきました。これは、例えば、インターネットの草創期に高速のバックボー ンを連邦政府の出資で賄っていた米国のインターネットとは事情が異なってい ます。 JPNICの主要業務にはインターネットの重要な基盤であるJPドメイン名の登 録およびJPネームサーバ維持管理が含まれており、JPNICはその基盤の一翼を 担っていますが、これらの維持管理については政府による補助金を一切受けず に行っています。 このようなインターネットの基盤の維持管理に要する費用を誰がどのように 負担すべきか、また、その負担を効率的に回収する仕組みをいかに構築するか は、インターネットの健全な発展や、安定した利用、また、インターネット利 用者の公平な負担という観点から重要であることはいうまでもありません。 当初JPNIC(前身のJNIC)はドメイン名毎に登録者に直接費用負担してもら うことを検討しました。しかし、1990年代初頭法人化していなかったJPNICに 対し、当時のドメイン名登録者の大部分だった国立大学が直接金銭の支払いを することは困難でした。 このような観点から検討した結果、JPNICは、1993年にドメイン名の登録料 制度、JPNIC会員の会費とその背景となる接続承認制度を制定し、JPNICが行っ ているインターネットの基盤維持業務にかかる費用をインターネットの利用者、 より具体的には、ドメイン名の登録者に応分に負担してもらう仕組みを構築し ました。 この仕組みの中では、ドメイン名の登録者によるJPネームサーバ維持費用負 担を会費に反映させるために、ドメイン名の登録者は、JPNIC会員プロバイダ によるドメイン名接続承認を得ることをJPネームサーバ登録要件とし、接続承 認に基づいてリストアップされた接続ドメイン名数により、その会員のJPNIC 会費を算出することとしました。 別の言い方をすれば、この制度を導入することにより、JPネームサーバの維 持管理費用は、インターネットの利用者であるドメイン名登録者が、その接続 承認を行ったJPNIC会員が納付するJPNIC会費という間接的な形態で負担する仕 組みであるということができます。 4 接続承認とJPNIC会費制度 JPNIC各会員の会費は、定額の年会費に加え、会員が接続承認時に更新して いる接続ドメイン名リストに掲載されたドメイン数(参加組織数)に5,000円を 乗じた額となっています。JPNIC会員プロバイダは顧客すなわちインターネッ ト利用者に対して接続サービスに伴う料金を求めますが、その料金にはJPNIC 会費が含まれていると考えられます。 ただしJPNICは会員の対顧客料金設定に関知しないため、それぞれのプロバ イダはサービス内容や料金を自主的に決定します。従ってインターネット利用 者にはプロバイダ選択の幅が確保されています。 こうして日本のインターネット利用者はJPNIC会員プロバイダから接続承認 を受けることにより、JPNIC運営のコストを負担し、ひいては日本におけるイ ンターネット運営の一翼を担っていることになります。このようなインターネッ ト利用者によるコスト負担と協力が実現していることにより、日本でのインター ネットは、種々の制約から独立し、かつ利用者の利便を重視した公正かつ透明 な運営が可能となっています。 また、コンピュータネットワークに関する運用技術、知識、経験等を有し、 コンピュータネットワークの円滑な利用やネットワークコミュニティの健全な 発展というJPNICの目的に賛同する法人・個人であれば、日本法人、国民以外 の方でも理事会の承認を得て、JPNIC会員となることができ、外国法人もJPNIC の会員となっています。 5 利用者のご意見の反映 このように日本におけるインターネット発展にご協力いただいている利用者 の皆様からのご意見(goiken@nic.ad.jp)をより多く反映し、利用者のニーズ に より適合したインターネットを実現していくため、JPNICは利用者の皆様か らの幅広いご意見をいただき、今後のより良い制度運営に生かしたいと考えて います。 以上