運営委員会資料: データベース不正利用に関する取扱について(案) 1997年12月22日 運営委員長 佐野晋 ダイレクトメイルなどの宛先情報としてJPNIC公開データベースの利用が,今 まで,2件発生しています.このいずれのケースについても,JPNICの調査によ ると,担当者がJPNICデータベースの目的について十分に理解していなかった ことによるもので,すでに,当事者は現状を理解し再発しないことを約束して います. しかし,最近の状況を考えると同様の事件が発生する可能性はあり,それに 対する対策が求められています.そこで,当面の対策として, * 下記の文書「JPNICデータベースの利用について」を公開文書として 発行する. * この文書を whois データベースのページから参照できるようにする. * 問題が発生したときは,関係者に問い合わせるなどして,不正な利用が あったかどうか調査し,必要なら謝罪文などの提出を求める. とします. 不正利用の対策として,法律(主に知的財産権)による保護および,認証はアク セスコントロールなどの技術的な対策の強化が必要です.これについては,運 営委員会データベース検討部会を中心に,その具体的施策について検討してい きます. 以上 公開文書番号 1997年XX月XX日 JPNIC運営委員会 JPNICデータベースの利用について(案) 1. JPNICデータベース公開の目的 JPNICでは,ドメイン名やIPアドレスに関連する情報,登録者や技術担当者の 情報などを,データベースに登録し,whois や WWW を用いて公開しています. このデータベースの公開の目的は,ネットワーク管理者に対してインターネッ ト運用のために利用していただくことにあります.たとえば,障害発生時の運 用者の連絡先を知る手段として利用したり,障害発生時に対象となるIPアドレ スやドメイン名の属性などから,その原因を追求するための情報として利用し ます. インターネットは,全体を集中して管理する機構がなく,管理者同士の相互の 連絡によって管理運用されています.したがって,割り当て情報や管理者情報 の収集,公開は,インターネットの維持・管理するうえで必要不可欠です.ま た,国際的にも,このような情報の公開が要請されています.さらに,ドメイ ン名やIPアドレスが公正に割り当てられるためにも,このような情報の公開は 重要となっています. 2.情報更新のお願い データベースの内容はドメイン名やIPアドレスの登録・割り当て申請時の情報 をもとに作成されます.また,内容の変更は登録申請者がおこないます. whois で得られた内容を変更したのちapply@db.nic.ad.jp に送ることで,更 新できます.内容に変更があったときは,すみやかな変更をお願いいたします. 3.目的外の利用の禁止 最近,JPNICデータベースを例えばダイレクトメールの発送用のアドレスとし て用いるなどの運用以外の目的で利用する事件が発生しています.目的以外で の利用は厳重に禁止しておりますので,ご協力をお願いいたします. 4.データベース利用に関する課題 このようにJPNICデータベースは,公開を原則としているために,データベー スの項目の部分的なアクセス制限などは,特段の事情がない限り行っていませ ん.しかし,インターネットの個人利用者が増え,ドメイン名やIPアドレスを 個人的に登録・割り当てを受けるケースも増えてきており,個人情報管理とい う立場から,データベースへの第3者からのアクセス制限に関する要求もでて きています.また,目的外での利用の防止,データの改ざんに対する防止機能 の強化も望まれています. このような状況の変化に対応するため,JPNICではデータベースの公開を原則 としつつも, ・利用規定の見直しと明確化, ・技術的・法律的なアクセス制限,利用制限の手段についての検討, ・公開情報項目の見直し, ・データベース登録時の登録者認証の強化の検討および開発, といった項目について検討し,改善をはかっていく予定です.