2. 最新トピック 2.1 社団法人化の経緯 JPNIC は近く社団法人の設立許可を科学技術庁、文部省、通産省、郵政省か ら得る見込みです。このニュースレターが発行される頃には、晴れて社団法人 となっているかも知れません。ここでは、社団法人化に関して今までの経緯を 簡単に述べることにします。 JPNIC は 1993年4月に、インターネットのネットワーク運営団体を会員とす る団体として発足し、現在まで続いています。会員各位と関係者の努力により、 今まで順調に発展してきましたが、法人格が無い状態、つまり、「権利能力な き社団」として今まで約4年間運営してきました。法人格を持たないことの不 利は当初より数多く指摘されていました。最大の問題は会員が会費を支払うに 際して、JPNIC が法人格を持たないと経理上の困難を生じる、という点でした。 その他、税務署や銀行との折衝上の不便さ、職員の身分保証上の不都合、そし て何より、 JPNIC の業務が社会的な認知を得る、という意味において関係官 庁から許可を受けて法人格を得ることは重要なことである、との議論がされて きました。一方、法人化することの困難さ及び不利については、許可申請が事 務的に大変であるという点が最大の難関でしたが、その他には、法人化すると 自由で自主的な運営体制が失われるのではないか、というような懸念の声も一 部にはありました。 法人化に関する議論は JPNIC 発足の1993年度から運営委員会の Future working group が中心となって行いました。上のような法人化の有利・不利と ともに、社団法人としてどのような事業を行なうのかという根本的問題、そし てそれと深く関連する問題としてどの省庁に監督官庁をお願いするか、という 問題が議論されました。このような議論を経て、1995年10月17日の理事会に Future WG からの報告が行なわれ、審議の結果、1996年 3月までの社団法人化 を目標とすること、科学技術庁、文部省、通産省、郵政省の4 省庁共管を目指 すこと、次の8人からなる公益法人設立準備委員会を設置することが決定し、 委員長には丸山理事(事務局長)が指名されました。 浅野理事、後藤( 滋 )運営委員、小西監事、 東田監事、丸山理事、松本理事、村井理事 またこの日、主要理事による4省庁への挨拶も行ないました。 しかし、この時期は事務所移転で事務局が多忙であったため、目標とした 1996年3月までには作業は全く進まず、設立準備作業の立て直しを計る必要が 生じ、1996年6月よりコンサルティング会社と契約して助力を得ることとし、 作業をようやく軌道に乗せることができました。 4省庁共管ということもあって、許可申請のための事務量はかなりのもので したが、それは公益法人として当然受けなければならないチェックが主要な原 因であり、作業中に不都合があったわけではありませんでした。4省庁の御担 当の御理解も充分得ることができ、当初の「自由性が失われるのではない」と の心配も全く杞憂であることも判ったことは幸いでした。勿論公益法人ですか ら、公益性に反するような身勝手はできません。公益性の範囲内での自由とい う意味です。その後は 1996年 10月28日 理事会(許可申請の基本方針承認) 11月27日 総会 (許可申請の基本方針決定) 1997年 2月25日 理事会(解散と新法人への全権委譲の承認) 2月25日 新法人設立発起人会(許可申請書類の最終案承認) 3月11日 総会 (解散と新法人への全権委譲の決定) 3月11日 新法人設立総会(許可申請書類の最終案決定) 3月12日 許可申請書類提出 という経過で作業が進んでおり、3月末か、遅くとも4月上旬には正式許可が下 りる見通しでです。(1997 年 3 月 11 日時点)