53 武田神社の大鳥居

春は爛漫たる櫻花に包まれ、秋は紅葉に彩られて、靜に縣民を守護する如く、鎭座せるのが武田神社である。森を拔く杉の木立にさゝやく風も、境内に咲き出た一輪のたんぽゝの花も、盛なりし武田家の昔を偲ばせる。武人として、政治家としての公の威徳を、益々發揚するのは吾等の責務です。櫻花咲き亂れる四月十二日は公の祭日で、武田二十四將の行列は當日の呼物の一となつてゐる。

(池谷芳平)


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